胃や十二指腸の粘膜が、炎症によって深く傷つけられた状態です。心窩部（みぞおちの痛み）が特徴で、進行するとタール便が出たり、吐血が起こったりします。すみやかに治療しないと、胃壁や腸壁に孔があいてしまう穿孔が起こることもあります。

胃の内容物や胃液が食道に逆流して、食道粘膜が炎症を起こしてしまった状態です。胸やけ、呑酸などに伴って心窩部（みぞおち）の痛みが出ることもあります。

盲腸の先端に飛び出しているように付属している虫垂に、食物残渣などが入り込んで炎症を起こすのが虫垂炎で、一般には盲腸とも言います。初期症状として心窩部の痛みや吐き気などがあり、だんだん下がっていって、最終的には右下腹部が痛みます。悪化すると腹膜炎などを起こすケースもあります。

急激に膵臓におこる炎症で、主な原因は胆石やアルコールです。みぞおちからお臍のあたりまでの上腹部や背中に強い痛みがおこります。

腸管や消化器に器質的な異常が見当たらないにも関わらず、腹痛を伴う下痢や便秘を繰り返し、排便によってその症状が軽快するという状態が3か月以上続く疾患です。

ウイルスや細菌に感染することで起こる胃腸の炎症です。主な病原体としては、ノロウイルス、ロタウイルス、カンピロバクターなどが挙げられます。腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状があらわれます。

便に含まれる水分量が減って便が硬くなっている、腸管が狭くなっていて便が通りにくくなっている、腸蠕動の機能が低下しているなど様々な原因で排便回数が少なくなっている状態です。お腹の下あたりに痛みや張りを感じます。慢性的な便秘や繰り返す便秘は、痔や大腸疾患を発症するリスクが高くなります。

大腸粘膜にポケット状の凹みができている状態です。腹痛や腹部膨満感、便秘などの症状が起こります。お腹の下あたりに激しい痛みが現れる時は、大腸憩室に炎症を生じている可能性があります。下血を伴う場合は、大腸憩室からの出血が考えられます。

初期のころは、自覚症状がほとんどありませんが、進行していくと腹痛や下痢、便秘、血便などの症状が現れることがあります。

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は、腸内に炎症や潰瘍が起こって下痢や血便、腹痛などの症状が現れます。