COLONIC DIVERTICULUM

大腸憩室

COLONIC DIVERTICULUM

大腸憩室

腸憩室症とは

大腸内は食物やガスによって内側(粘膜側)から腸壁の外側に向かって圧力がかかっています。腸壁の強度の弱い部分にこの腸管内圧がかかりすぎることで、腸管の一部が袋のように外側にふくらんで粘膜側から見ると凹みのようになってしまったものが大腸憩室です。
加齢によって罹患率は増え、40歳以上の方では、よく見られる所見の1つです。
大腸に憩室ができただけであれば、特に治療の必要はありません。しかし、憩室の中で炎症が起こる大腸憩室炎や、大腸憩室出血を起こしたりした場合には治療が必要になります。

大腸憩室症とは

腸憩室炎について

大腸憩室炎とは

大腸憩室内に便などが入り込み憩室内部で炎症を起こすことがあります。これが大腸憩室炎で、腹痛の原因疾患としてよく見られます。

症状

腹痛や発熱が主な症状です。日本では盲腸、上行結腸、横行結腸に憩室が生じる頻度が高かったが、近年S状結腸憩室も増加してきております。憩室炎を起こした場所によって痛む場所が異なり、盲腸にできると右下腹部、上行結腸は右脇腹、S状結腸は左下腹部や臍の下あたりに痛みがあらわれる部分です。なお、憩室の部分は腸壁がかなり薄くなっていますので、炎症が強い場合穿孔を起こしやすく、そのために腹膜炎になってしまうこともあります。その場合は激しい痛みなどの全身症状があらわれますので、緊急に治療が必要になります。

検査

憩室炎の急性期には、炎症を起こしている付近の腸壁がもろくなっているため、大腸カメラ検査では穿孔を誘発する危険性があると判断された場合は、CT検査によって大腸壁の状態や炎症の拡がり具合などを調べることになります。その他の検査では、血液検査によって炎症の度合いなどを確認します。
炎症が落ちついたあたりで、大腸がんなどとの鑑別のために大腸カメラ検査を検討することもあります。

大腸カメラ検査

治療

治療は、腸管の安静と抗菌薬の投与の両面で行います。 腸内の憩室のある部分に便や食物残渣をできるだけ通さないようにして腸管の安静を保つ治療法を腸管安静と言い、それによって炎症を鎮静化し、炎症拡大を防止することを目的とします。
軽症の場合は、食物繊維や脂肪分の少ない消化に良いものを少量食べながら、抗生剤を内服する治療となります。
中等症から重症の場合は、食事に耐えられないため、入院して点滴で栄養を補給しながら、抗生剤を投与する治療となります。
これらの治療で効果を得られない場合や、穿孔を起こしている場合には手術を検討することになります。

腸憩室出血について

大腸憩室出血とは

大腸憩室は、腸壁に細い血管が貫通してる部分にできやすいと言われています。そのため血管が憩室付近に存在することが多く、また、憩室部分は非常に薄くなっているため、何らかの原因でその血管が破れると、突然大出血を起こすことがあります。これを大腸憩室出血と言います。

症状

特に腹痛もないのに、突然大量の血便が出ることが大腸憩室出血の特徴です。そのため、腹痛が伴った血便は他の疾患が疑われます。

検査

大腸内視鏡検査により、出血源の特定を行います。出血源が特定できた場合は、内視鏡による止血術を行います。必要に応じて造影CTにて憩室付近の状態を確認し、また血液検査で貧血の程度を調べます。出血量によっては生命に関わるケースもありますので、大腸憩室出血を起こした場合は、入院施設のある高度医療機関での治療となることがあります。

治療

基本的には、大腸内視鏡検査による止血を行います。ただし、出血量が多い場合、内視鏡のみでは腸管内が血液で満たされてしまい、出血場所を特定できないこともあります。その際は造影CT検査で出血場所を特定してからの施術となります。

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