大腸にポリープがあると言われたらどうする?

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望月 暁

理事長・院長 望月 暁

所属学会・資格

  • 医学博士 (研究テーマ:消化器内視鏡治療)
  • 日本消化器内視鏡学会関東支部評議員
  • 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本内科学会認定医
  • Digestive Endoscopy reviewer

HP
https://www.gutclinic-tokyo.jp/

治療を要するかどうかを判断する必要があります

Q.そもそも「大腸ポリープ」って何?

A.五層構造になっている大腸の一番内側にある部分を粘膜層と言います。その粘膜層の一部がイボのように隆起し、周りより高くなっているものを「大腸ポリープ」と呼びます。種類にもよりますが、周りの粘膜と同色調のものや発赤したものなどがよく見られます。発赤(赤みを帯びている)しているということは、出血やうっ血、血管増生の可能性があります。その他、まれに平坦のものや陥凹しているものもあります。

Q.どうしてポリープができるの?

A.家族歴や体質、遺伝素因、食生活などによっても大腸にポリープができやすい方とそうでない方もいますが、一般的には40歳以上の方にできやすくなる傾向があります。加齢や食事の欧米化もリスク要因のひとつと言われています。一方で、野菜摂取や適度な運動をすることはポリープを作りにくい体を作るとも言われています。

Q.大腸ポリープがあるとどんな症状があるの?

A.内視鏡で切除できる程度のポリープに関しては、基本的にはほとんど症状はありません。しかし、ポリープが大きくなりすぎると出血をしたり、腸の内腔が狭くなってお腹の張りを強く感じたり、腸閉塞や便秘、便が細くなることもあります。そのような症状が出る段階になるとかなり進行していると考えられ、内視鏡による治療は難しいケースが多いです。

Q.大腸ポリープにはどんな特徴や種類があるの?

A.大腸ポリープは大きく分けると二種類あります。

腫瘍性ポリープ

良性と悪性とがあります。
良性腫瘍は腺腫と呼ばれるもので、前癌病変です。
一方、悪性腫瘍とはいわゆる大腸癌です。
どちらも血管の増生があるので一般的には赤く見えることが多いです。

非腫瘍性ポリープ

頻度として一番多いものは過形成性ポリープと呼ばれるものです。
健常粘膜と同じ成分が増生しているものです。
基本的には良性で、昔は癌化しないものと考えられていましたが、近年は大きくなったものが悪性腫瘍に転化したという報告例もありますので、サイズが大きい場合には切除や治療が必要と考えられるようになってきています。

その他、炎症を繰り返す炎症性ポリープも多くみられます。

Q.どういう治療が必要となるの?

A.内視鏡によるポリープの切除が身体への負担を最小限に抑えられる治療です。10mm以下の小さなポリープに関しては、通電しない切除方法を用い、合併症と出血を最小限に抑えます。10mmを超える大きさのポリープに関しては、電気を用いて焼き切るような通電性治療を行います。どちらも日帰りにて切除可能です。また、内視鏡での治療が難しいサイズのポリープは、専門の医療機関に入院し、外科で手術を行うこととなります。大腸粘膜には痛いを感じる神経がないので、内視鏡切除による痛みを感じることは基本的にありませんが、腸内に空気を注入する際にお腹の張りを感じることはあります。

一方、良性の場合や特に切除を必要としないと判断されたポリープに関しては、経過観察を行うことが多いです。何においてもポリープは早期発見・早期治療が肝心です。

抗血栓薬をお飲みの患者さん

脳梗塞や心筋梗塞の予防として抗血栓薬を服用されている患者さんは、以前は検査のために服用を一時的に中止されるように言われていた方も多いと思います。しかし現在では服用を継続したままでも検査は可能になりましたし、術後の合併症のリスクもずいぶん低くなりました。むしろ服用を一時的にやめることで、患者さんにとっての脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めてしまうことは本末転倒と考えます。

Q.正確な診断を行うために気をつけることはありますか?

A.検査前に患者さんが行う便処置は、大腸内視鏡検査においてはとても重要となります。精密な診断を必要とする検査ですので、患者さん側のご協力が不可欠です。検査前日には、腸内に便が極力残らないような食事を心がける等お気をつけください。

命に関わる病の有無を早期発見するために

「大腸にポリープがある」と言われたみなさんがすべて「大腸癌である」ということでは決してありません。しかしながら、ポリープはその種類と経過によっては命に関わる重大な病を引き起こす可能性を持ちます。さらには大腸そのものには痛覚の神経がないことで、自覚症状を感じる頃には治療の施しようがないほど進行していることも決して珍しくありません。大腸癌だけでなく、出血や異常が早期に発見できたということは、ご自身の身体にとっては何よりの幸運と捉え、ぜひ前向きに精密な検査を加えるなどして正しく診断・治療開始することが大切です。

クリニック紹介

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