胃ポリープ
ポリープとは、粘膜など組織の上皮から盛り上がったイボのように隆起した病変のことで、胃粘膜にできたものを胃ポリープと呼びます。原因ははっきりしていませんが、ピロリ菌感染やその他の要因による胃炎などがあると、ポリープができやすいと言われています。自覚症状は特にあらわれず、胃カメラ検査や胃のバリウム検査で偶然に発見されることが多いです。
胃ポリープはその性質から、過形成ポリープ、胃底腺ポリープ、腫瘍性ポリープなどに分類されます。
過形成ポリープや胃底腺ポリープはがん化することは稀ですが、中には腫瘍性ポリープである腺腫などの将来がん化する可能性の高い病変(前がん病変と言われる)も含まれるため注意が必要です。
胃ポリープと胃がん
胃底腺ポリープは、炎症やピロリ菌感染による萎縮がない健常な胃粘膜にできやすいポリープで、ほとんどがん化することはありません。過形成ポリープは、ピロリ菌感染などで萎縮の見られる胃粘膜に発生し、放置した場合2~3cmまで大きくなる可能性のあるもので、稀に出血を起こしたりがん化したりすることがあります。
さらにがん化のリスクが高いのは、萎縮性胃炎から、胃粘膜の性質が変化し腸上皮化生となった部分に発生することが多い腺腫で、厳密な経過観察もしくは内視鏡的治療が必要です。
内視鏡検査でポリープが発見された場合は、その組織の一部を切り取って病理検査を行い、どのタイプのポリープか、悪性の可能性はないかなどを確認することが可能です。
治療法
通常、小さな良性のポリープであれば、特に切除の必要はありません。ただし、大きくなり出血など何らかの症状を起こす場合や、腺腫など将来がん化する可能性がある病変の場合、または急激に大きくなってくるポリープなどについては、切除を含めた治療を検討する必要があります。その場で切除が可能な場合もありますし、出血のリスクが高く入院治療が必要な病変に関しては、連携している治療経験豊富な高次医療機関にご紹介も可能です。
予防法
胃ポリープは胃炎と大きく関係があります。
- 香辛料などの刺激物を摂り過ぎない
- アルコールを控える
- 良く噛んでゆっくりと食事を摂り、胃に負担をかけない
- 規則正しい生活習慣
- ストレスはこまめに解消する
- ピロリ菌検査を行い、陽性の場合は除菌する
などの予防法が有効です。。
ポリープが発見された場合、現段階で治療の必要は無いものでも、定期的に胃カメラ検査を受けて経過観察することが大切です。